2014年3月30日星期日

企業への所得移転は本当に有効か


日本では過去20年間、様々な減税策がとられてきた結果、課税ベースは浸食され、循環的な景気回復が起こっても、税収は以前ほど高い伸びを示さなくなっている。法人税減税に来年から取り組むとの官房長官発言もあるが、現在足りないのは、規制緩和や規制改革の努力であって、減税の努力ではないように思われる。セットでの実施が謳われつつも、結局、十分な規制緩和や規制改革が行われず、減税だけがつまみ食いされることになるのではないか、筆者は強く懸念している。税収の所得弾性値が高い法人税の税率が引き下げられると、景気回復局面でも税収はますます伸びなくなる。

<企業への所得移転は本当に有効か>

タオバオ代行からの情報」最後に、法人税減税論議の際に忘れられている重要なポイントを論じておく。それは支出を抑制する経済主体に所得移転をすることの是非である。

ケインズ的な色彩の強い安倍政権の経済政策の中で、支出性向の低い経済主体に所得移転を行うことをどのように位置付けているのだろうか。周知の通り、経常収支赤字が継続的に観測されるようになり、日本でも「双子の赤字」の悪影響が懸念され始めている。高齢化の影響で家計貯蓄率が低下を続けているため、今後も経常収支赤字が劇的に膨らんでいくという見方もあるが、その際、すっかり忘れられているのが企業貯蓄の存在である。

ここ数年、企業はGDP比で約20%強の粗貯蓄を毎年積み上げている。興味深いことに、家計の粗貯蓄は5%まで低下したが、それに対応する形で、企業貯蓄が上昇し、民間部門全体の貯蓄は25%強で安定している。家計貯蓄は大幅に低下したが、企業の大幅な貯蓄が続いているため、今のところ長期金利が安定を保った中で、大幅な財政赤字がファイナンスされているとも言える。

家計貯蓄と企業貯蓄を合計すると安定しているのは偶然ではない。まず、ゼロ金利政策の継続によって、家計の受取利子は大幅に減り、同時に企業の支払利子も大幅に減った。つまり、金利低下を通じ、家計から企業に所得移転が発生しているのである。さらに、ここ数年、企業業績の動向にかかわらず、雇用者報酬は相当に抑制されていた。ようやくベアの引き上げの動きが一部で始まったが、現実には過去最高益を記録する大企業でもベアは1%を下回るところがほとんどである。雇用者報酬の足踏みも、企業貯蓄を高め、家計貯蓄を抑制する要因となっている。つまり、雇用者の取り分が小さければ、企業の取り分が大きくなるゼロサム的な状況が続いている。

もちろん、企業が増えたキャッシュフローを設備投資に振り向けているのなら、企業と家計の貯蓄は必ずしも対照的な動きを示さない。しかし、少なくともこれまでのところ、企業は設備投資に対して慎重な姿勢を崩していない。企業はキャッシュフローが積み上がっても、投資や人件費など支出を十分増やしておらず、貯蓄に振り向け、純資産を増やしているということである。

ケインズ的な景気刺激策においては、支出性向が高く、しかし流動性制約に直面する経済主体に所得移転を行うことが企図される。潤沢な貯蓄を持ち、支出性向の低い経済主体に所得移転を行っても、大きな景気刺激効果は現れないだろう。それとも、安倍政権は株高を通じた別の波及経路を狙っているのだろうか。

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